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Taylor Brooks

MOVとMP4比較:編集向きはどっち?アップロード向きは?

MOVとMP4の違いを解説。編集やカラーグレーディングに最適な形式と、素早くアップロードするのに適した形式を選びましょう。

はじめに

映像編集者、フリーランスのクリエイター、コンテンツマネージャーにとって、MOVかMP4かの選択は、単なる容量や互換性の問題にとどまりません。編集の自由度、アップロード速度、そして後工程の文字起こし精度にまで直結する重要な要素です。特に、字幕やキャプション、検索可能な台本生成を最初に行う「トランスクリプト優先」型の制作フローでは、コンテナ形式の選び方が自動音声認識(ASR)の精度や、大規模案件を処理する時間に大きく影響します。

このガイドでは、撮影から公開までの各段階でMOVとMP4がどのように振る舞うのかを整理し、音声からテキストへの変換にどう影響するかを解説します。それぞれの工程に最適なワークフローをマッピングし、サイズが大きすぎてアップロードが遅れる、字幕ファイルが乱れるといったよくある悩みを、動画リンクから直接精度の高いトランスクリプトを生成できるリンクインジェスト型ツールを使うことで回避する方法も紹介します。


コンテナとコーデックの違いを理解する

MOVかMP4かを選ぶ前に、コンテナとコーデックの違いを整理しておきましょう。

コンテナ(MOV、MP4)はいわば「入れ物」。映像トラック、音声トラック、メタデータをひとまとめに保持します。

コーデック(H.264、HEVC、ProRes)は、その中身を圧縮・解凍するためのアルゴリズムです。

  • MOVはAppleのQuickTime環境で誕生し、多彩なコーデックに対応。特に高品質なProResや非圧縮音声の扱いに優れ、編集者から支持されています。
  • MP4は幅広い環境で再生可能な互換性重視のフォーマット。断片化構造を持ち、DASHやHLSなどのアダプティブストリーミングプロトコルに適しており、オンライン配信に強みがあります。

コンテナとコーデックを混同すると、ワークフローのトラブルにつながります。たとえば「H.264 MP4」と「H.264 MOV」はコーデックは同じでもコンテナが違い、メタデータの扱いやマルチトラック対応、プラットフォームでの取り込み方法が変わるのです。

コンテナとコーデックの違いについて詳しくはこちら


編集用マスターとしてのMOVの強み

撮影から編集までの段階では、音声の忠実度を最大限保つことが重要です。特にインタビューや座談会、ドキュメンタリーなど、後で自動文字起こしに頼る場合はなおさらです。Apple ProResなどの圧縮が少ないコーデックを使ったMOVファイルは以下の点で有利です。

  • マルチトラック音声の保持:カメラやマイクごとの音声を別々に保存でき、音声認識の精度向上につながります。
  • 高い音声ビット深度:発話をテキストに変換する際の誤認識を減らします。

非圧縮またはそれに近い音声を含むMOVファイルをASRに渡すと、圧縮されたMP4音声に比べて10〜20%ほど文字起こしの精度が上がることも珍しくありません。専門用語や細かい表現を正確に捉える必要がある場合、圧縮による子音や高周波成分の欠落は大きな障害になります。

ただし、MOVは同等品質のMP4と比べてファイルサイズが2〜5倍ほど大きくなることがあり(参考)、クラウドへのアップロードが遅くなったり、サービスの容量制限に引っかかる場合があります。


MP4:配信と速度のメリット

公開段階ではMP4の強みが生きます。

  • 効率的な圧縮:H.264やHEVCで小さなサイズにでき、アップロード時間を最大70%短縮できます。
  • 高い互換性:YouTube、Vimeo、各種SNSで再エンコードなしに即再生可能。
  • ストリーミング対応構造:再ラッピングの必要なくアダプティブビットレート配信が可能で、モバイル視聴に最適。

デメリットとしては、MP4の非可逆圧縮によりマルチトラック音声がステレオにまとめられ、発話の聞き分けが若干鈍るためASRの精度が落ちる可能性があります。字幕制作が最終目的の場合、このリスクを踏まえ、圧縮前に文字起こしを済ませておくのが理想です。

配信におけるMOVとMP4の比較はこちら


ワークフロー設計:フォーマットからトランスクリプトへ

MOVの撮影・編集での強みと、MP4の配信効率を両立しつつ、トランスクリプトの品質を保つ実践的なフローです。

1. 編集マスター段階 – MOV維持

  • 撮影・編集はProResなど高品質コーデックのMOVで行う。
  • 複数話者の案件では音声トラックを分離して保存する。

2. トランスクリプト生成 – 圧縮前に取り込み

容量の大きいMOVを一度ダウンロードして再アップロードする代わりに、リンク入力や直接アップロードできる文字起こしサービスを使うのが効率的です。例えば、インスタント文字起こし+話者ラベル付きに対応するシステムへMOVマスターを渡せば、品質を落とさずに文字起こしできます。

3. 字幕準備 – 自動で区切り直し

正確なタイムコード付きトランスクリプトができたら、字幕用に行長を分割。自動区切り直し機能を使うことで、SRT/VTT出力が発話と正しく同期します。

4. 公開段階 – MP4に変換

トランスクリプトや字幕が完成したらMP4に変換してアップロード。サイズが大幅に減るため配信が楽になり、文字データは圧縮前の高品質音声をもとにしているので精度が保たれます。


コーデックに関する落とし穴への対処

計画的なフローでも注意点はあります。ASR精度を下げる典型的なトラブルには以下があります。

  • 特定編集ソフトでHEVCが非対応:再生が乱れ、ASRに欠落が発生。自動文字起こしに依存する前に再生確認を。
  • MP4出力時のマルチトラック消失:ステレオに統合され、音声分離ができなくなる。初期段階でMP4を使う場合はトラック保持を確認。
  • サンプルレートやビット深度の不一致:微妙な音声歪みが発話境界の認識を邪魔する。

ASRに取り込む前にこうした問題をチェックすれば、再編集の手間を防げます。短いサンプルで初期品質チェックをするだけでも効果があります。


長尺プロジェクトでの効率化

ウェビナーや数日間の会議など、長時間映像を扱う場合はMOVかMP4の選択が「バッチ処理の効率性」に直結します。

トランスクリプト優先型なら、MOVマスターで細部の会話まで残しつつ、MP4で配信用ライブラリにまとめれば、帯域やストレージ制限を回避できます。

バッチ取り込みは特に有効です。ホスティングサービスからリンクで直接取り込めば、大容量ファイルのダウンロード・アップロードの二重手間が不要になり時間を節約できます。取り込み後は同じ環境で字幕用に区切り直しや整形を行い、不要語の削除や書式調整まで自動化可能。これにより、RAW映像から公開可能な字幕付き動画や検索アーカイブまで一気に仕上げられます。


まとめ

MOVかMP4かは、どちらが優れているかではなく、制作工程と文字起こしの役割に照らして適材適所で使い分けることが重要です。

編集や保存段階では、MOVの高音質・マルチトラック対応が精度の高いトランスクリプトにつながります。圧縮前に文字起こしを行い、その品質をロックすることがポイントです。配信段階では、MP4のアップロード速度と互換性が優秀で、公開には最適です。

リンク取り込みや自動区切り直し、整形機能を備えたトランスクリプト優先型のパイプラインなら、MOVの精度とMP4の効率を両立できます。

各フォーマットの強みを理解し、適切なタイミングで文字起こしを行うことで、スピードと品質の両方を確保し、シナリオから完成映像までプロ水準のコンテンツを届けられます。


FAQ

1. MOVとMP4の主な違いは? MOVは高品質コーデックに対応できる柔軟なコンテナで、Apple ProResなど非圧縮寄りの形式を扱いやすいのが特徴です。MP4は汎用性が高く、圧縮やストリーミングに最適化されたコンテナです。

2. MOVは必ずMP4より高品質なの? 必ずしもそうではありません。同じコーデックで同等ビットレートなら品質はほぼ同じです。MOVは低圧縮コーデックやマルチトラック、豊富なメタデータ対応に優れており、編集や文字起こし時にメリットがあります。

3. なぜMP4は文字起こし用アップロードが速いの? MP4はファイルサイズが小さいため、クラウド型文字起こしサービスへの転送が短時間で済みます。MOVは品質が高くてもサイズが大きい傾向があり、処理が遅れることがあります。

4. フォーマット選択は字幕制作にどう関わる? MOVの高音質は文字起こし精度を高め、それが字幕の品質に直結します。MP4への圧縮前に文字起こしを行うことで、その恩恵を保てます。

5. オンライン動画リンクから直接文字起こしできる? はい。リンク取り込みに対応したツールなら、動画リンクから文字起こしまでダウンロード不要で行え、品質を保ちつつタイムコード付きの結果をすぐ字幕化できます。

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